交通死亡事故で遺族がするべきこととは|事故直後の対応や損害賠償請求について解説
死亡事故が発生してすぐに落ち着いて対応するのは難しいかもしれません。しかし、事故直後だからこそしておきたいこともいくつかあります。
法的な問題については弁護士に相談することをおすすめしますが、今後の生活のためにも、ご自身で事故後どのような対応が必要になるのかここで確認していただければと思います。
警察への対応と事故証明書の取得
まずは警察から事故の詳細を確認しましょう。実況見分調書などの重要な資料を入手することが大事です。
入手した書類は、損害賠償請求や示談交渉における重要な証拠となります。
また、交通事故証明書の取得も重要です。交通事故があったという事実を証明する書類で、自動車安全運転センターにて発行してもらうことが可能です。
保険会社への連絡
被害者が加入している保険会社および加害者側の保険会社にも連絡しましょう。
自賠責保険や任意保険による補償を受けるために必要な手続きです。
早期に連絡することで、必要な書類や手続きの詳細を確認でき、適切な補償を受けるための準備を整えることができるでしょう。
また、保険会社は事故処理や賠償交渉のサポートも提供してくれる場合が多いため、専門的なアドバイスを得る機会にもなります。
死亡届の手続きや葬儀の準備
死亡診断書または死体検案書を受け取り、死亡届を提出しましょう。
※死亡届は、死亡事実を知った日から7日以内に提出しないといけない。
※死亡診断書や死体検案書は、病院や警察で発行してもらえる。
また、この書類を取得することで火葬許可証も取得できるようになり、葬儀社との打ち合わせも進められるようになります。
年金や健康保険の手続き
亡くなったのが年金受給者であった場合は「受給権者死亡届」、ほかにも「健康保険の資格喪失届」などの手続きを進めましょう。
未支給年金の請求や遺族年金の請求は、今後の生活にも関わる重要な行為ですので確実に進めておくべきです。
最寄りの年金事務所、市区町村役場、あるいは弁護士や社労士などに相談することも検討しましょう。
損害賠償請求
いくつかの方法により交通事故により発生した損害分の賠償を求めることができます。
1つは「自賠責保険から支払いを受ける方法」です。
自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)は、法的に加入が義務付けられている強制保険です。運転していた相手方がこの保険に入っていると考えられますので、自賠責保険により一定額まで補償してもらうことができるでしょう。死亡事故の場合だと最大で3,000万円まで支払いを受けられます。
2つ目が「任意保険から支払いを受ける方法」です。
相手方が自賠責保険以外に任意で保険に加入していることも珍しくありません。自賠責保険は最低限の補償を目的とした保険ですので十分な賠償金が受けられない可能性が高いのですが、任意保険から支払いを受けることができればさらに上乗せで賠償金を受けることができるでしょう。
3つ目として「加害者本人から支払いを受ける方法」も挙げられます。
任意保険に加入しておらず、自賠責保険からの支払いだけだと賠償金が不足するとき(または自賠責保険にも加入していないとき)は、本人に直接請求して支払いを求めることになります。
ただし本人に多額の賠償金を支払うほどの経済力がないときは十分な損害賠償を受けるのは難しくなってしまうでしょう。
無保険事故に遭った場合の対応
相手方が保険に入っておらず、賠償金の支払い能力も十分にない場合は、泣き寝入りになってしまう危険性があります。
そんなときは、損害分のすべてを回収することはできないかもしれませんが、「被害者自身の加入している保険を活用する」あるいは「政府の保障事業を利用する」などの方法も検討しましょう。
保険会社との契約次第ですが、交通事故の被害者となったときに適用される無保険車傷害保険などもあります。
契約内容にこういった保険が含まれているのなら活用すると良いです。
また、加害者が自賠責保険に入っておらず損害賠償を受けられない場合への備えとして政府の保障事業も存在しています。
ここへの請求が認められると国が加害者に代わって損害分の填補をしてくれて、その後国が加害者に対して求償請求を行うことになります。
示談と弁護士への依頼
請求した金額のすべてが無条件に受け入れてもらえるわけではありません。請求した相手方(保険会社や加害者本人)が納得しない場合は、最終的に裁判所で賠償金の支払い義務やその金額を判断してもらう必要があるのです。
しかし裁判を開くとなれば時間もかかり過ぎてしまいますので、まずは当事者間の協議によって解決を目指すことになるでしょう。
その行為を「示談」と呼んでいます。
示談を行うにあたっては、事故の状況や被害の程度などから具体的な賠償額を算定しておく必要があります。
請求額には根拠もなければいけないため、過去の裁判例なども参照する必要があるでしょう。
法的な観点から評価しなければならずとても専門性の高い作業を要しますので、弁護士を活用して賠償額の算定、相手方との示談についてもお任せすることをおすすめします。
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