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DVによる離婚を進めるうえで押さえておきたいポイント

配偶者からの暴力(DV)を理由に離婚を考えるとき、確実に離婚を成立させるため、そして安全に進めていくためにも押さえておきたいポイントがいくつかあります。

DVが絡む事案では通常の離婚と異なる対応が必要であったり、利用できる法的な枠組みが設けられていたりもしますので、重要なポイントを押さえておきましょう。

ポイント①安全確保のための仕組みを利用

暴力が続いている、あるいは再発のおそれがある状況で離婚の話し合いを持ち出すことは危険です。

 

そこで身の安全確保を優先するため、「配偶者暴力相談支援センターや警察への相談」、「シェルターや実家への避難」を検討してください。

 

また安全確保のための法的手段として、配偶者暴力防止法(DV防止法)に基づく「保護命令」もあります。

 

保護命令とは、被害者の申立てに基づき、裁判所が加害者に対して一定の行為を禁止する命令を発令することをいいます。令和5年の法改正によって内容が拡充されており、主に次のような命令があります。

 

  • 被害者への接近禁止命令(住居・勤務先等への接近禁止、期間1年間)
  • 被害者への電話等禁止命令(無言電話・深夜のSNS送信・位置情報の無断取得なども対象、期間1年間)
  • 親族等への接近禁止命令
  • 退去等命令(共同住居からの退去命令。申立てにより一定期間、加害者に住居からの退去とその周辺の徘徊を禁止する命令)

 

なお、保護命令は身体に対する暴力のみならず、精神的DVや経済的DVが絡む事案にも活用が可能です。命令に違反した場合の罰則として「2年以下の拘禁刑」または「200万円以下の罰金」も法定され、抑止効果も高まっています。

 

そして保護命令は必要性が認められる限り離婚の調停・訴訟と並行して利用することができますので、安全を確保しながらその後の手続きを進めていくことが可能となります。

ポイント②DVを証明する証拠の準備

相手が暴力の事実を否定する可能性も踏まえて、被害者側でDVの事実を証明できるように備えておく必要があります。

 

たとえば次のような情報・資料です。

 

証拠の種類

具体例

医療関係

診断書・カルテ・受診記録

映像・画像

怪我やアザの写真・動画、破損物の写真

音声

暴言・脅迫の録音、謝罪のメール・SNSメッセージ

相談記録

警察への通報・相談記録、配偶者暴力相談支援センターの相談記録

 

暴力の継続性や深刻さを示すには、単一の記録よりも、複数の証拠を組み合わせることが効果的です。ただし、証拠を集めようとする行動が相手に気づかれると、危険性が増すおそれがあります。
スマホのロック設定や、相手に閲覧されない安全な場所へのデータ保管など、安全を最優先にした保全方法を弁護士と相談しながら進めましょう。

ポイント③離婚の手続きと進め方を知っておく

DVは民法に定める「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたり得ます。ただし、裁判所は暴力の程度・頻度・期間・婚姻関係への影響などを総合的に評価するため、「DVがあった」という事実を主張するだけでなく、具体的な事情を丁寧に整理して伝えることが必要です。

調停・訴訟において配慮を求めることができる

相手方が任意に離婚や条件に応じない場合、まずは離婚調停を申し立てることになるでしょう。そして調停で合意に至らなければ、離婚訴訟へと進むという流れになります。

 

DV被害者が調停や訴訟に臨む際は、別室での調停・時間差での出頭・オンライン参加といった配慮を裁判所に求めることができます。申立書や事前の連絡の段階で、相手と同席できない事情を具体的に伝えましょう。

取り決めるべき事項を整理する

離婚にあたっては、財産分与・慰謝料・年金分割など、経済的な条件についても取り決めが必要です。DVは不法行為として慰謝料請求の根拠になり、暴力の回数・程度・期間・後遺症の有無などが賠償額の判断材料となります。証拠として残せている内容が、最終的な金額にも影響してきます。

 

なお、未成年の子どもがいる場合は親権や養育費・面会交流の取り決めも必要となり、ここでもDVの事情が判断に影響を及ぼします。

 

これらの観点からも、やはりDVの証拠を揃えておくことが重要といえるでしょう。

ポイント④弁護士への早期相談

DV案件では、安全の確保、保護命令の活用、調停や訴訟に踏み切る時期、といった初動の判断がその後の有利不利にも影響してきます。

 

この点、弁護士が代理人として関与することで加害者との直接のやりとりを避けつつ、保護命令の申立てから離婚調停・訴訟・慰謝料や財産分与の交渉まで広く対応してもらうことができます。

 

費用面が不安な場合でも、法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助制度を利用することで、一定の要件を満たせば弁護士費用の立替えを受けられる場合があります。経済的な理由だけで相談をためらわず、まずは法律事務所の窓口へご連絡いただければと思います。

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榎本 清Kiyoshi Enomoto / 埼玉弁護士会

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