離婚裁判の流れ|期間はどのくらいかかる?
裁判での離婚というのは、どれくらいの期間がかかるのか、実際に離婚裁判の流れはどのようなものになるかといったご相談を承ることがあります。
裁判の流れや期間について、ある程度把握することで、どのように立ち回れば良いかということもわかってきます。
当記事では、離婚裁判の流れと期間について詳しく解説をしています。
離婚裁判の流れ
裁判による離婚を考えている場合であっても、実はいきなり訴訟を提起することはできません。
日本では主に3つの離婚の方式が定められており、協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3種類となっています。
協議離婚と調停離婚は、当事者同士の話し合いによって離婚を進めていくものであり、調停離婚では調停委員が仲介役として話し合いの場を取り持つ形となっています。
裁判離婚は、調停前置主義という観点から、調停によっても離婚が成立しなかった場合に利用することができるものであり、法定離婚事由というものに該当しなければ離婚が認められません。
また、裁判という性質上、裁判官が両者の意見を聞いた上で、離婚を認めるか否かを裁判官が決定します。
すなわち、離婚裁判を起こしたい場合には、まず調停を経なければいけません。
では実際に調停不成立後の流れを見ていきます。
①家庭裁判所への訴状提出
まずは、家庭裁判所に対して、訴状を提出することで訴えを提起する必要があります。
提出先の家庭裁判所は、夫婦のどちらか一方の住所を管轄している裁判所です。
訴状では、裁判を申し立てた理由や審理してほしい内容や言い分について記載します。
離婚裁判における訴状の記載内容としては、以下のとおりとなっています。
・親権者の指定について
・慰謝料の金額
・財産分与
・養育費の金額と支払期間、支払期日
・年金分割の割合
・夫婦が婚姻した日
・未成年の子供の有無や、子供がいる場合は名前・年齢・生年月日
・離婚調停の事件番号や結果
・離婚の原因
②訴状の送達と第1回期日の指定
裁判所は訴状を受け取ると、内容を審査した上で、問題がないと判断した場合には、第1回口頭弁論の期日を指定し、原告被告それぞれに通知を行います。
この通知の際に、被告に初めて訴状が送達されます。
第1回口頭弁論の期日は、訴状の提出から約1ヶ月後に設定されることが多くなっています。
③答弁書の提出
被告は送達された訴状の内容を確認した上で、自身の反論や意見などを答弁書に記載した上で裁判所に提出します。
答弁書の提出期限は、第1回口頭弁論期日の1〜2週間前です。
④第1回口頭弁論・その後複数回の弁論
公開の法廷にて指定された期日にて第1回口頭弁論が開かれます。
弁護士に依頼をしている場合には、本人ではなく弁護士が代わりに出廷することも可能です。
基本的に1回目の口頭弁論で判決が下されるということはなく、争点がまとまらないような場合には、何度か口頭弁論が繰り返されます。
大体月に1回くらいのペースで口頭弁論が開かれます。
ただし、よっぽどこじれた事案ではない限り、基本的には第2回以降は弁論準備手続に進むことが多くなっています。
弁論準備手続では。原則として非公開の小さな部屋で行われ、裁判官と当事者双方、弁護士で話し合いを行う場となっており、この際に裁判官から和解を勧められることもあります。
⑤当事者への尋問
証拠が出揃って争点が整理されると、証拠調べが行われます。
離婚裁判では、当事者への尋問によって、この証拠調べが行われることが多くなっています。
この尋問では、本人が代理人弁護士や裁判官からの質問に答えるものとなっており、質問を通じて、主張したい事実の立証や、双方のいずれかの主張する事実や証拠が信憑性の高いものであるかということについて判断を進めていきます。
基本的にこの尋問に入る前に、原告と被告はそれぞれ自身の主張をまとめた陳述書を作成して、裁判所にあらかじめ提出しておくのが一般的です。
⑥判決の言い渡し
和解の見込みがなく、双方の主張・立証から、裁判官が事実認定をできる状態となったら、いよいよ離婚を認めるか否かの決定に入ります。
判決は口頭弁論の終結から約1ヶ月程度で行われます。
判決の場には必ず出席しなければいけないということはなく、判決書が判決の日から数日から2週間程度で当事者双方に送られてきます。
裁判離婚にかかる期間
2020年の司法統計によると、離婚裁判の平均審理期間は14.2ヶ月となっていました。
また、これは離婚裁判にのみかかった期間であるため、調停については加算されていません。
同じく司法統計を参照すると、調停成立までにかかった期間は7.6ヶ月、取り下げで終わった期間は4.3ヶ月が平均となっています。
離婚裁判は調停が不成立となった場合に提起されるものですので、後者を加算すると18ヶ月ほどの時間を要することになります。
もちろんこれらはあくまで平均値ではあるため、それぞれの事情によっては短縮したりも長期化したりもします。
特に慰謝料や財産分与などの金銭面での問題で揉めているような場合には、長期化する傾向にあるようです。
離婚問題は西風総合法律事務所にお任せください
離婚裁判は期間が長いだけではなく、自身の主張をしっかりと伝えたりしなければならず、個人で挑んでいくのは大変難しいものとなっています。
そこで弁護士に依頼をすることによって、主張のポイントや、陳述書の内容の添削をお願いすることができます。
西風総合法律事務所では、離婚問題についてのご相談を承っております。
離婚についてお悩みの方は一度ご相談にお越しください。
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